特にインドとなると、水へのネガティブなイメージを持つ人が多いです。
日本国内でも、インドの水は危険だとか、汚いガンジス川のイメージを持つ方がほとんどではないでしょうか。
「インドで腹を壊した!」と話を聞いたり、安全な水がないというイメージがあります。
そこで、インドの水についてご紹介したいと思います。
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インドの水事情について
世界には約60億~70億もの人々が暮らしており、そのうちの約5億人は水を満足に飲むことができない状況です。
さらに15億人は、汚染された水などによって健康被害を受けており、20億人は水分を取るのに十分な環境がありません。
世界的に有名なガンジス川を有しているインドは深刻な水不足問題に直面をしています。
インドの都市部では、実は、一日に約400億リットルもの汚水が排出されていて、社会問題となっています。
インドでは、下水処理が遅れており、未処理で水源に流されていることが多く、その水源で生活をしている人も多いです。
そのため、水質汚染が問題となっています。
インドの水は飲めるのかどうか
インドを旅行する際にはもちろんですが、現地の人でさえインドの生水は飲まないそうです。
インドで、やはり、水道水を飲むことは厳禁となっています。
インドで水を確保するためには、3つの方法があります。
- ペットボトルの水
- ウォーターサーバー
- 浄水器
インドでは生水はまずは飲めません。
このため、通常はペットボトルの水を飲むことになります。また、ウォーターサーバーや浄水器は生活で必須となります。
インドのミネラルウォーター1ℓで1本20Rs(日本円で約37円)から売っており、非常にお手頃な価格となっています。
インドの風呂事情とトイレの水は流れるの?
これはインド風呂の特徴ですが、シャワーの上にタンクが1つ置かれていて、これは「ギザ」と呼ばれる電気湯沸し器で、インドではこれを通ってシャワーのお湯が出てくるようになっています。
このタンクに貯められる量だけお湯が出る仕組みなので、タンクの水を使い切ると真水を浴びなければならないようになっています。
トイレは徐々にトイレットペーパーが普及しつつありますが、大量に流すと詰まってしまうので、流してはいけないトイレがたくさんあります。
一日に使う量が決められている?インドの水道
インドの水事情はきわめて悪く、上水道は1日に数時間程度しか供給されない地域もあります。
多くの家庭ではタンクを設けて水をため、必要な時に利用をする形です。ただ、水道管が破損していたり、老朽化していることもありますし、日本のように安全に飲むことができません。
地域によっては、下水管が破裂していて、混入していることもあります。
水ATMが話題になったインドのニューデリー
水不足が慢性的な課題となっているのが、特にインドの首都ニューデリーです。
こちらでは、2013年から、カードを使い、水を引き出すことが出来るという水ATMが出まいSた。
こちらは、太陽光発電で動くようになっていて、ATMを通じて、地下水を処理し、供給されることになっています。
1セントで、4リットル給水が出来て、利用者は、チャージ式のICカードを使って水を受け取ります。
発案したのは社会的企業です。
今では1000軒あまりの家庭がサービスを利用しているそうで、他の州でも徐々に利用者が増えているといいます。
水を手に入れる余裕がない人も多い
インドでは、水道料金が基本的にタダという地域が多いため、水道代や水にお金を払うという概念がありません。
水が無料で当たり前と考えている方のために、水ATMがすべての地域でどうにゅうするのはまだ先になるでしょう。
インドの劣悪な水道事情は現在も続いている
このように、水道のATMなどが導入され、少しずつ水に関する取り組みはなされていますが、依然として、インドの劣悪な水道事情は現在も続いている状態です。
粗悪な灌漑(かんがい)技術、深刻な地下水汚染の問題が水資源危機をさらにこじらせているといえるでしょう。
そして、現在に置いても、適切な下水道施設も十分にないため、処理されていない都市部の排水が地方に流れ、飲料水となっています。
インドの産業構造は農業に大きく依存していて、水資源の8割は灌漑(かんがい)用とされています。
水の価値はインド内で尊重されずに極めて安く、住民は無料と思い込んでいることも相まって、問題は続いています。
まとめ
インドの水道事情は一部のエリアでは改善され、ATMで水が供給されるなどのプロジェクトが進んでいます。
しかし、経済発展や人口増加に伴う水需要の激増といった根源的な要因がもあり、水資源対策、農業政策の失敗といった「人災」もあり、なかなか水道事情が良くならない状態です。
さらには、被害が深刻な地域では、水資源を奪い合って、住民たちが武装して実力行使に出ているところもあります。
インドのメディアでは「すでにわが国では、水戦争が始まっている」ともいわれています。