私たちの生活には必要不可欠である水に対して、注目が集まっています。
各家庭には水道が整備されて安全な水が供給がされています。
このため、日本にいればとりあえず水がなくて困るといったことはありません。
しかし近年、水道水は「おいしくない」という理由から人気を集めているのが「ミネラルウォーター」です。
1980年代頃だと人々の感覚にはなかった「水を買って飲む」という感覚も、今ではすっかり当たり前の価値観ですが、ミネラルウォーターとは何か、その歴史についてご紹介したいと思います。
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新鮮な水の運搬方法は懸念事項だった
元々、新鮮な水の運搬方法は、数世紀の間、懸念事項でした。
船乗りたちは特に、喉の渇きのいらだちが強く、水に囲まれているのに、海水を飲むことが出来ず、海水を飲水にしたいという人々は増えていきました。
そこで、最初に船旅の飲水を持ち運ぶ試みにイギリス議会が注目したのがきっかけです。
そして、多くの科学者が背中を押され、ドクター・チャールズアーヴィングが世界で海水をろ過し、塩分を除去する技術を開発しました。
これが、ボトルウォーターの始まりです。
18世紀、ボトルウォーターの誕生
18世紀には、ミネラルウォーターを瓶に詰めて売るものが現れます。
このように、容器に詰めることで、運搬することも、そして売ることも出来て、水の商品化が始まります。
それ以来、ボトルは、水を運搬し、そして売るための便利な方法として続いています。
20世紀には、実は金属容器のほうが持つだろうと、水の缶詰まで作られています。
ボトル入り飲料水の人気は衰えることなく、18世紀からボストンで売られており、19世紀には新たな技術が開発され、そしてガラス瓶入りになりました。
1809年には、NYブランド、サラトガがボトル入りのミネラルウォーター販売を始めます。
そして、1856年には、年間700万本以上が生産され、そしてこれは今も続いています。
ミネラルウォーター企業の誕生
そして、現在有名なミネラルウォーターの企業の大半が、19世紀に創業を始めており、ボトル製造の新たな技術開発をします。
ミネラルウォーターのブランドとして知られている「エビアン」は、フランスの街のエビアンの湧き水をレセール公爵が発見したことがきっかけで誕生。
そして公爵は劇的に持病が和らぐことに気が付き、そして湧き水が勧められるようになります。
そして、ビジネスチャンスを見出した泉の持ち主が、この湧き水の販売を開始し、1829年には、ミネラルウォーター協会が設立され、そして飲水として売られるようになります。
ミネラルウォーター「ペリエ」の誕生
そして、フランスの炭酸入りのミネラルウォーターである「ペリエ」が生まれたのも19世紀になります。
採取されるのは、自然の炭酸泉で、そして炭酸ガスが含まれているのが特徴です。
そして、ペリエの泉が持っている自然な味わいを保つため、ペリエの工場では、精算の際に、工程で製品にガスを再注入する方法が編み出されています。
そもそもローマでは有名な温泉だったこのペリエの泉は、医師のルイ・ウジェーヌ・ペリエが泉を買収。そしてジョン・ハームズワースという、イギリスのタブロイド紙の創設者の弟に転売します。
その後ペリエの名前が現在のように改名され、最初はウイスキーの水割り用として宣伝されてきましたが、ミネラルウォーター界のシャンパンと称されるようになります。
フランスだけではなく、各地ミネラルウォーターが販売される
そして、水の商品化はフランスだけではなく、イタリアの「サンペレグリノ」のミネラルウォーターは、遅くとも14世紀から、健康に良いという触れ込みで売られてきました。
そして、19世紀には商品化され、アジア、アフリカ、南北アメリカにも輸出されるようになります。
その後、ドイツで人気の「シュタートリヒ・ファヒンゲン」も一般商品になりました。
その他にも、ジョージアの「ボルジョミ」は、商業的に成功する前に、この水源が発見され、体の不調が改善すると噂が立ち、そして泉の水を便に詰めさせたのが始まりです。
ミネラルウォーターとビッグビジネス
水をボトルに詰めて売るという効率的なアイデアですが、現在も生き続けています。
そして、飲水の入手・消費が非常に簡単で便利になり、ボトルウォーター産業は、ここ数十年で、急成長して、年間売上は数十億ドルにも上っています。
20世紀初頭の西洋では、安全な水道水が家庭に供給されることになり、ボトルウォーターが一時的に廃れましたが、それも1977年までのこと。
そして、ミネラルウォーターはペリエが有名な俳優を使い、アメリカで広告戦略を展開し、それまで隙間市場だったミネラルウォーターが、人々の心を掴み、そして脚光を浴びています。
1970年にはボトルウォーターが人気商品になると予想したものはおらず、購買料は右肩上がりとなっています。
現在人気の高い有名ミネラルウォーターブランド
現在でも人気の高い有名ミネラルウォーターブランドはいくつかあります。
- エビアン
- ペリエ
- ボルディック
- フィジーナチュラルアーティージャン
- ゲロルシュタイナー
- フェッラレッレサンペリグリノ
- マウンテンバレー
- ティナント
- アイスランディックグレーシャル
以上が最も人気の高いミネラルウォーターです。
少なくない人々が、ボトル入りのミネラルウォーターは清潔で美味しいと信じており、外出先で購入できる便利さも相まって人気が高いです。
ボトルウォーターと水道水はどちらが上?
ミネラルウォーターと、水道水はどちらが水質や味が優れているのか明らかにすべく、近年では、この両者を比較する研究が開催されています。
しかし、最近では、水道水の水質は厳密に管理され、成分も分析されているという主張もあり、ボトルウォーターはこれに対し、最新式の処理工程を経ているので、汚染が少ないという意見もあり、どちらを選択するのかはそのエリアである程度左右されます。
たとえば、パリ市民は、暮らしている場所により水道水の味が違うことから、ミネラルウォーターが好まれてきました。
しかし、オーストラリアのある町では、ボトルウォーターなど信用をしないという街があり、ボトルウォーターの販売が禁止されています。
このような例外はあるものの、水を手に入れる方法は劇的に変化しており、ボトルに詰められ商品になっています。
日本でのミネラルウォーターの今までとこれから
日本でミネラルウォーターが休息に広まったのは、1993年の阪神淡路大震災の時です。
それまでもミネラルウォーターは一部の人々に人気でしたが、大きな自然災害により水道網が機能しなくなり、人々が飲用水の確保に困った時に重宝したのがペットボトル入りのミネラルウォーターだったのです。
また2011年の東日本大震災以降は、ミネラルウォーターの重要性が人々に意識されるようになり、災害時の備えとして家庭でミネラルウォーターを備蓄する人も急増しています。
地震などの災害の多い日本では、ミネラルウォーターは便利で常飲するものでもあれば、災害時の助けとなるものとして備蓄品としても認識されています。
そんなミネラルウォーターですが、実は日本には独自の基準があり大まかに3種類に分類されているのです。
それは「ミネラルウォーター・ナチュラルウォーター・ナチュラルミネラルウォーター」の3種類となっています。
ミネラルウォーターの定義としては「容器入りの飲用水の中でも地下水を原水とするもの」とされているのです。
そうしたミネラルウォーターの中に含まれるミネラル分や原水のブレンドの有無などによって種類が異なります。
ですから、ミネラルウォーターと言ってもおいしさや口当たりなどがそれぞれに違っていることを知っておきましょう。
まとめ
発展途上の国々では、水道が整備されいる場所の方が少なく、危険を冒して飲用水を確保しに行くような地域で生活している人も多くいて、また、水道がきちんと整備されていたとしても決して安全とは言えない水が供給されている場所もあります。
そんな中で、ボトルウォーターが注目され、世界中でビッグビジネスとなりました。
日本でも、日本国内の名水を採水してペットボトルに入れて販売するほど、日本は世界でも有数のミネラルウォーター大国になっており、災害時に備蓄したり、旅行や外出のお供としても知られています。
このサイトでは、そんな人々の水について詳しく追求していきたいと思います。
参考文献:水の歴史